五感

2022年04月19日

『五感』

視覚

聴覚

嗅覚

味覚

触覚

これらは、すべて、自分の外にあるものを感じるための人間の機能。

楽しくやろうという、いわゆるポジティブ思考を大切にする人たちには、大切な感覚。

自分の中に憂いを感じることを嫌がる人たちは、自分の外にある楽しいものを感じ取りたいと常に思っている。

だから、五感は不可欠。

ポジティブ思考の人が、五感のいずれかを欠いてしまうと、急激に落ち込んだり、老け込んだりしてしまう。


ところで、凡夫が、自分の内側に興味をいだくのは、自分の調子が悪い時である。健康面だけでなく仕事や遊びが不調で、内面に憂いを抱いているときである、なぜこんな状態なのだろうと、自分の内側に触れようとする。

いろいろと考える。

このとき、五感はほぼ使用していない。

自分の外側を遮断して、内側にこもる。

自分と真に向き合う時間が訪れたのである。

ここで憂いと向き合うのか、さっさと無視して外側にある楽しいものを求めるのかで、人間の厚みに幅が出てくると思う。

まあ、常に頑張り、成果を出して、憂いを感じることなく、人生を過ごすというのは、一部の超人のみに許された特権であって、凡夫は常に躓いては立ち上がるを繰り返すものである。



仏教の価値観は、『人生は苦行の連続だが、その中でも幸せは感じられる』である。

幸福とは、自分の中に存在するもので、人と比較して感じるものではないと説く。

常に前を向くということは自分の内面に対しての働きかけであって、自分の外側にあるものをポジティブに求めていくことではないと思う。