仁
日本は天災の多い国です。
古くから天災に見舞われた際には、公的な組織による救済活動だけでなく、広く民間による救済活動がおこなわれてきました。
人間の本性は『共感力』ということから、この救済活動は、互助精神によるものだとわかります。
互助すなわち、困ったときは互いに助け合おうという心の持ち方が、人間には本来備わっているのです。しかし、何らかの原因で良心が欠如してしまったり、自己の利益のみに拘ってしまうと、互助の気持ちはどこかに消えてしまいます。
儒学の政治観として『修身斉家治国平天下』というものがあるそうです。世の中の安定は、個人が道徳的に向上することによってしか達成されないという考え方です。 アメリカのケネディ大統領の『国に求めるのではなく、自分が国に何ができるか考えよう』という
有名な演説と同じ内容ですね。
18世紀に、石田梅岩先生は、様々なことを学ぶことで、利己心や金銭欲を制御することができるようになると説きました。利己心を制御することで、互助の精神が機能し始めるという教えです。互助によってすべてが救えるというほど現実は甘くないし、かつ、自己の能力を超えたところで活動することは無理という認識に基づき、『心を酷使せず、身に苦労もさせず、お金を費やさなくてもいい。分相応の仁(互助)を行えばよい。』と説かれています。
小さなことでも、行えることを行うことで、相応の仁になります。
無理をしなくても、相応の仁を積み重ねていけば善になります。
日頃の行動が相応の仁になるためには、『人々の苦しみや問題を自分のものとして受け止める心構え』が必要だとしています。この心構えは、常日頃、共感力を働くように、利己心を抑えるための学びや訓練を続けることで培われると思います。
僕の場合、BLOGをコツコツと書いていくことで、相応の仁を積み重ねるつもりです。