勇者とは?

2021年10月16日

 手作りの小さなSailBoatで単独で世界一周をした青木洋先生(青木ヨットスクールの校長先生)の著書の中にこんな文章がある。

『勇者とは、危険を恐れ、危険を知り、危険に備え、そして危険と正面から対峙する者である。いったん危険に陥れば、最後まで戦う。たとえ絶体絶命のピンチに直面しても、冷静に対処する。それが真の勇者だ。』

 青木先生とヨットの展示試乗会の際に1時間ほどお話をしていただいたことがある。とても物静かな方で、単独で世界一周した方とは思えないくらい謙虚な方である。また、青木ヨットスクールのプログラムに参加した折に、青木先生のお話を、インストラクターの方々から窺ったが、静かな口調で負けじ魂を発揮される方だそうだ。

 先生に暴風が吹く世界屈指の難所ホーン岬を通過したときの状況について質問させていただいたが、『もう2度と行きたくない。』と静かに微笑まれた。『たとえ絶体絶命のピンチに直面しても、冷静に対処する』を実践された方の迫力というか凄みを感じた。

 Q:危険を恐れる。

 A:怖いものは怖いと謙虚に受けとめる。

 Q:危険を知る。

 A:なぜ怖いのかを研究する。

 Q:危険に備える。

 A:対処する技術を身に付ける

 Q:危険に対処する。

 A:冷静に状況を判断して、身に付けた技術を組み合わせて危険を回避する。

危機を乗り切るときに、天佑神助とか奇跡とか運はいらない。

危険をあらかじめ知っておくことで、回避する算段を研究準備しておく。自分の技術を磨く。

危険が迫った時に、状況を冷静に判断分析して、自分が持っている技術で危険を回避する段取りをする。

そして、段取りを粘り強く行い、ダメな時には挫けず、別の段取りを考え、危険を回避するまで繰り返す。

善因善果・悪因悪果・自因自果という仏教の教えからは、危険を招いたのは自分自身の因であり、自分で招いたものだから、自分自身で解決することができるという結論に導かれる。

自分の技術が未熟ならば、その時は潔く撤退しましょう。撤退できないときは覚悟を決めて粘れるだけ粘って、最後は笑って散りましょう。