有限を前提にしましょう
巷で企業における経営資源といわれるものに『人・モノ・金・情報・時間』があります。
『人・モノ・金』は、20世紀の経営者によく言われていました、21世紀に入ってからは、学者さんやコンサルタントさんが『情報・時間』を加えて、経営戦略を語っています。
この5つの資源は、有限という共通の要素を持っています。
人の可能性は無限?・・・・・長時間労働すると過労死します。
モノは無限?・・・・・使えば壊れます。
金は無限?・・・・・借金しようにも金融機関の融資限度額を超えたら借りることは不可能です。
情報は無限?・・・・・ガセネタは無尽蔵ですが、貴重な情報・役に立つ情報はめったに手に入りません。
時間は無限?・・・・・1日は24時間ありますが、労働時間はせいぜい8時間です。
ところで経営とは何でしょう?
儲けることですね。利益の追求です。
儲けを出すために、経営資源を使います。すべて有限ですし、どんな零細企業でも複数の事業が同時並行します。数ある経営資源を取捨選択し、組み合わせることで、利益を追求することになります。
儲けは信者と書きますが、二八の原則という統計分析があります。2割のお客さんがその会社の売り上げの8割を占めるという原則です。企業を教祖様とすると2割の熱烈な信者のお布施により支えられているということになります。ABC分析という顧客を売上高によってABCの3つに分類するという手法があります。この分類機能はたいていの会計ソフトについています。
ここで怖いのが『売上高が多い=利益が多い』と錯覚してしまいがちな点。売上高が多い顧客は、なぜ買ってくれるのか?考えてみましょう。売価>(原価+各種経費)でないと利益は出ません。売価<(原価+各種経費)になっているから、顧客にとっては有難い仕入先になっている可能性があります。いわゆる逆ザヤですね。コロナ禍で売上高が落ちたにもかかわらず、赤字が減った企業があります。まさに逆ザヤ体質。これでは奴隷ですね。利益を出すためには知恵を絞る必要があります、損失を出すのは懈怠するだけでよいので簡単です。損失は底無しです。事業者の限界を簡単に突破してしまいます。
量だけではなく質もしっかり管理しましょう。利益はどこから生じているのか。ここをしっかり把握して、利益の出る先を増やすように経営資源を割り振っていくことが大切です。机上の原価計算では利益になっていても、実際のお金の動きは机上の計算通りなっていないことは多々あります。現実を知ることは大切です。会計帳簿は森を知ることができます。森を構成する木や草がどんな状態になっているかは示しません。事業部門ごとの会計帳簿を作っていたとしても同様です。帳簿をつけるということと帳簿を読むということは別物です。帳簿を読むとは、強みと弱みを把握することと理解してください。
世の中は、諸行無常。常に変化します。昨日の強みは今日の弱みになる可能性があります。慢心しないようにしましょう。『足るを知る』といいますが、常に『足る』は変化しているために、なかなか知ることができない厄介なものです。
善因善果・悪因悪果・自因自果の法則は常に働きます。良い結果をだすためにはどのような行いをすべきかということを意識してみてください。