石田梅岩
2021年10月08日
1700年代に商人の学びの場を作ることに尽力した商人出身の思想家『石田梅岩』先生は、
1739年に
『都鄙問答』
出版しました。
その中の一節に
『商人で道を知らない者は、ただ貪ることだけをして家を滅ぼす。
商人の道を知れば、欲心から離れ、仁心で努力するので、道に適って栄えることができるだろう。
これを学問の徳というものである。』
商人が、己の欲望と距離を置いて、人を思いやる心で、商売すれば、道徳に適って、末永く栄えると説いています。
商いについての正しい知識を学ぶ。(ルールを重んじる。)
己の欲望を抑える。(我利我利亡者にならない。徳に従う。)
顧客の利益に尽くす。(顧客と共感する。)
アダム・スミスにさかのぼること数十年、日本人の商人が独学でいろいろな宗教や哲学を学び、到達した結論です。
日本の商人が商人道をわきまえて商いに従事していたから、江戸時代の経済は維持され、明治維新の混乱期を乗り切るだけの経済力を民にもたらしたと考えています。
この卓見は、元禄バブル経済の弊害に対する反省から導き出されたものです。
平成バブル経済の弊害に対する反省から、何が導き出されたか?
残念ながら、まだ、混乱中です。