禅
2021年11月12日
禅宗は、仏教の一派です。経典や言葉、文字に頼らず、師と弟子の直接的な関わりの中でみずからの心を知り、悟りの境地へいたる という教えです。
禅は、精神を統一して真理を追究するという意味のサンスクリット語を音訳した「禅那」(ぜんな)の略だそうです。 心が動揺することのなくなった状態を目指すという教えですね。
禅というと、黙々と座禅するというイメージがありますが、師と弟子との間で問答することが修行となっています。頓智で有名な一休さんも禅僧です。頓智というのは、師の問いに対する弟子の答えです。問いの答えが無いというひねくれた問ですから、答えもひねりを利かすことが要求されています。
禅宗の教えは大陸から日本に伝わってきたのですが、禅の修行は日常生活の中でも実践することができるという点で、鎌倉時代の武士や庶民に好まれ、日本に根付きました。大陸では廃れてしまい、日本の中だけで独自深化して発展した教えですから、日本民族の感性とよほど相性が良かったのでしょう。
師と弟子との間で問答することで悟りを開くという体系のせいか、どんどん分化して、現在では24の流派があるのだとか。キリスト教やイスラム教は自分以外の流派を異端と決めつけ火あぶりにしたり、マルクス・レーニン教は自分の派閥以外は極地の収容所に送り込むなど、世界の宗教は排他的なものが一般的ですから、禅宗は緩いですね。
自分自身の存在の真実を探すことが禅。具体的には、みずからを律し、万物に感謝し、ムダを省き、生き方を見つめ直すことが禅です。『僕って何?』って悩んだら、禅寺に観光に行って座禅体験コースをやってみるのも、見つめなおすきっかけになるのではないでしょうか。