頭陀
巷では、いろいろな物が入るような、だぶだぶした袋 のことを、頭陀袋(ずだぶくろ)といいます。
本来は、 僧が修行の旅をするとき、経文や食器などを入れて首にかける袋のことです。
「頭陀」とは、衣食住に対する欲望をなくすための托鉢を中心とした質素な修行の方法です。
衣食住に対する欲望を払いのけるとは、あらゆる煩悩 (ぼんのう) を払い去って仏道を求めることなのだそうです。
仏道を求めるために日ごろは山奥で修行している修行者が、下界に降りてきて信者の家をまわり、生きていくために最低限必要な食べ物などを乞う托鉢 は、与える側の信者に功徳を積ませるという効果があります。
修行者にとってもWin、信者にとってもWinですね。Win-Winの関係ですから、托鉢されているお坊さんを見かけたら、私たちもWinしましょう。
小欲知足で常に質素な生活を送るとどうなるのか。お金を使わないから貯まります。お金はお金が有る場所に集まってくる習性があります。少しづつですが、収入も増え、お金の貯まり具合も加速していきます。収入が増えても常に質素に暮らし続けると月々必要な生活費はあまり増えません。収入が増え、高くても質の良いものをそろえることができるようになると、長期間、一度買った良質な物を使って暮らすことができますから、安いものを買い替え続ける(貧乏人の安物買い)よりも使う金額が少なくなるという現象も起きます。必要な生活費が何十年分もあると何があっても大丈夫という安心感で心も穏やかになれます。誰かのために、使うことができるお金も増えますから、功徳を積むことも容易になります。
収入が増えるに従い使うお金も増えるというパターンは、いつまでたっても、手元に残るお金が足りない状況が続きます。ただ自分の煩悩にのみお金を使いますから、功徳を積めず、お金に常に飢えている餓鬼になってしまいます。