娑婆

2022年08月05日

娑婆・堪忍土

意味

1.苦しみに満ちた耐え忍ぶべき世界。釈迦(しゃか)が教化(きょうけ)する世界。

2.人間の住む世界。この世。また、俗人の世の中。俗世間。

俗語的用法

娑婆とは仏法では人が生きる世界を指し、世界四苦八苦の苦しみに耐える自由のない世界としている。しかし、俗語的に娑婆は軍隊や刑務所に入っている人にとっての外の自由な世界を意味する。これは江戸時代、遊郭を娑婆に対する極楽安堵の地と例えていたが、遊郭で働く女郎からは「娑婆(外の世界)こそ自由の世界」になるためで、意味は逆だがどちらも人が普通に暮らす世界をさす意味では変わっていない。

私が感ずるに、

自由な世界ゆえに、人々はぶつかり合い、苦しみに満ちた耐え忍ぶべき世界になる。

煩悩に導かれた迷いが消え、摂取不捨の利益(人と比較しない幸福)を感じることができるようになると、娑婆の世界から抜け出せるというのが仏教の教えだが、娑婆とおさらばするという意味では、死んでおさらばするよりも、生きているうちにおさらばできたほうが断然良いと思う。

精進精進。