悪条件

2024年08月06日

 1964年の東京オリンピックを控えるレスリング協会の八田一郎会長は、外国に遠征に行ったとき、「夜眠れずに調子が悪かった」というような言い訳を選手にさせないため、合宿所では、夜寝るときも、電気や、テレビ、音楽をつけっぱなしにして、どんなところに行っても、どんな状態になっても、寝れるように訓練したそうだ。結果は、金メダル5個。

 エミール・ザトペックという偉大なマラソンランナーは、「悪条件で練習する方がいい。レースのときに大きな安心を得られるからだ」と語っている。

 1960年代は、全国民が経済的に厳しい環境で暮らしていた。その環境の中で世界と競う競技に取り組むという挑戦をしていた人たちの工夫を知ることは、逆境に立たされた時に役立つことだと思う。