Begin with the end in mind.
2021年12月13日
人生とは、産まれて死ぬまでの期間をいいます。
最後は死ぬという結末が待っています。
死ぬという最後が待っているということを前提にして、なぜ生きるのかということを自分自身に問いかけるのが仏教でいう『本願』だと考えています。人生の目的地を設定するということだと思います。
養生とは『健康に留意すること』と一般的には理解されていますが、本願を成就して最良の死を迎えるために、日ごろ行う作業や仕事のことを言うのだと考えています。
抽象的になってしまうので、建築現場で使う『養生』で説明します。
建築現場では、建築作業中に、材料が飛散したり、工具が当たったりして、建材や部材、工事範囲外の部分が汚れたり破損したりすることのないよう、シートやテープ等の道具を使って保護することをいいます。養生は工事が終われば剥がして捨ててしまうものですが、工事が終わるまでは、人や物や環境を守ってくれる大事な防護手段です。
人生は無数の工事の連続です。工事ごとに養生をして、工事が終わると養生を捨てるということを繰り返しています。 無数の工事は何のためにするのかは、生活を送るうえで必要なお金を稼がないと、今の世の中では生きていけないからです。工事自体も長い人生のなかでは養生です。
無数の工事は、本願という工事を達成するために行う養生です。本願をしっかり認識していると、すべてが大切に思えて、あらゆることをおろそかにしなくなると思います。本願を認識していないと、目的地が決まっていませんから、あっちにフラフラこっちにフラフラすることになります。
食べることも寝ることも体を鍛えることも遊ぶことも仕事することも、自分の人生で本願を成就して死ぬための養生ですから、おろそかにしてはいけないものです。