自由と我儘

2021年11月28日

福沢諭吉先生の定義(学問ノススメから抜粋)

『ただ自由自在とのみ唱えて分限を知らざれば、我儘放蕩に陥ること多し』

分限とは?

『天の道理に基づき、人の情に従ひ、他人の妨げをなさずして、わが一身の自由を達することなり。』

自由と我儘との界は、

他人の妨げをなすとなさざるとの

間にあり。


『他人の妨げをしない』は、社会を構成する参加者がマナーとしてわきまえておくべきものです。

残念ながら、マナーを身に付けていない人が参加者に加わっていることで、様々な法律が定められ、罰則で社会の参加者を縛り付けています。人の歴史は、数千年ありますが、どの時点を切り取ってみても他人の妨げは存在してきました。

人の欲望が尽きないことはありえない以上、今後もなくなることはないでしょう。

では、常に不自由なのでしょうか?

自由に暮らしやすくなるためには、それぞれが、他人に干渉しない、すなわち他人と自分を比較しないことことが肝心だと説かれます。

他人と比較して優越感に浸る幸せ感は長続きしません。比較相手が多数存在しますから次々比較して忙しない日々を送ることになります。

自分自身が自分に満足する幸せ感は長続きします。常に自分に集中していますから、他人と比較する必要性を感じません。

他人からちょくちょく妨げられる四苦八苦な世界に生きています。せめて自分が自分自身に妨げられない様に、自愛しましょう。