愛国心と市民性
2021年10月25日
ドラッカー先生という偉大な経済学者さんが『ポスト資本主義社会』という著作の中で述べている。
『愛国心とは、国のために喜んで死ぬ意志。
市民性とは、国のために生きる意志。
愛国心は、古今東西を問わず、あらゆる国において見ることができるもの。
国民が国を良くすることに深い満足と誇りを抱くのは市民性のなせる業だが、市民性は、共通の言語や文化をもち、共通の社会生活を営む、歴史的に形成された共同体を基礎として成立した国民国家にのみ見ることができるもの。
国民に愛国心と市民性が備わった国家が安定する。
現在は、産業社会であり、産業社会にあっては、人は社会における位置と自己実現の喜びを、企業の一員として得るよりほかに術がない。個としての人間の尊厳は仕事を通じてのみ得ることができる。』
国を良くすることに深い満足と誇りを抱くには、現在は産業社会だから、仕事を一所懸命にやることがすべてという考え方。
仕事で結果を出して、『国を良くしたから自己実現ができた』と自分を誇りに思うという考え方。
国を良くするが目的で、仕事をするが手段。
好きなことを仕事にしたから自己実現したという勘違いをしている人は、手段の選択を目的にしてしまったということか。
好きなことを仕事にできて、国を良くすることができたならば最高だろう。
しかし、
好きなこと以外を仕事にしても、国を良くすることができたならば満足することができる。
好きなことを仕事にしようとするよりも、好き嫌いに拘らず、どんな仕事にも前向きに取り組み、実績を積み上げたほうが、自己実現の喜びを早く味わえる。 好きになれない仕事のほうはごまんとあるのだから、好きを探すよりも、好きになれないほうを手に取るのは簡単。数もこなせる。
何でもいいから、とにかく結果を出してみましょう。