暗証

2021年12月03日

暗証番号は、「自分にしか証明できない」番号だから、本人であることを証明するという仕組みになっています。

暗証番号の『暗証』ですが、元々は仏教用語です。

『経論の正しい裏付けのない悟り』なのだそうです。

他からは認められていないにもかかわらず、自分は悟ったと主張することを言います。

ああ勘違い!の痛いやつと言われそうですね。

ネガティブにみると『自分だけにしか、通用しない』です。

ポジティブにみると『自分だけには、通用する』です。

両方を統合すると、使い途が出てきます。先に書いた『本人証明』です。文書の書き手が、本当に文書に書いた本人であることを証明するために、独自の添え書きを文書に付したことから、『暗証』という言葉が世間に知られるようになったようです。



ところで、渡る世間は鬼ばかりですから、自分は悟った人と称する暗証な人が生きていけるかというと、たぶん、独り善がりなところを突かれて、詐欺にあったり、疎外されたりして、まともな生活を送ることはできないでしょう。

理解や行動が独り善がりになっていないか、自分の考えについて情報発信して、周囲の反応を確認してみる必要がありそうです。自分だけにしか通用しない考えでは、どんな行動も世間様には認められません。先駆者は最初は認められないことが大半だと歴史は証明しています。先駆者と呼ばれる人々は、粘り強く情報発信していくことで、徐々に周囲に認められていったという過程を経ています。先駆者や第一人者という地位を確立するのは並大抵の努力ではできません。


前振りは長かったですが、今日の文章は、最後の数行分だけ読めばよいということになります。お粗末です(苦笑)。でも、『人の振り見て我が振り直せ』という格言の根っこの部分はこれなのではないでしょうか。