権理

2022年01月04日

仏教の言葉ではなく、福沢諭吉先生の言葉です。

Rightという単語を、福沢先生は権理という漢字で訳しました。

人権というものは、誰もが生まれつきもっているものであり、全く同等で軽重の差はないとするのが、近代自由主義社会の根本的なルールです。

人権は誰もが持っていますが、強い者が権を行使すると、弱い者が割を食うという現象が起きます。

この現象を防ぐためにも、権の行使方法に理(ことわり)があるということを、福沢先生はRightという概念を日本に導入する際に言いたかったのでしょう。

お金持ちや地位の高い人が、まったくの好き勝手をしてしまうと、その国は荒れます。自分の権なのだから、どんな使い方をしても許されると考えてはならないということを強調したかったのでしょう。 

賢者はそう考えました。

残念ながら、誰もが権を自分の利益のために使いたいのです。凡人は権利という言葉を使います。権利は、己の欲望に執着することを示す単語に明治の時代からなってしまいました。


仏教的には自利利他すなわち自分の利益が他人の利益になるという関係が素晴らしいとされています。

権の行使する際には、周りの人を見まわすことをお勧めします。己だけの利益を求めるのではなく、コトワリがある権の行使をすることで自分だけでなく周りの人にも利益をもたらすように自分の力は使いましょう。