生きる意味

2021年09月16日

『人身受け難し、今既に受く』はお釈迦様の言葉ですが「生きとし生けるもののなかでも生まれ難い人間に生まれてきてよかった! 」という意味だそうです。

この価値観からは、人にとって『生きる意味』とは、「人間に生まれてきてよかった」と感じること、自分の存在そのものを喜べることが幸せだということになります。

ところで、諸行無常(常に変化している)の世界の中で、一番変わりやすいのは、人の心だそうです。人から煩悩が無くなることはありえないから、コロコロ変わってしまいます。

そんな移り気で欲まみれな人間ですが、現世でも絶対の幸福を感じることができると仏教では教えています。諸行無常の世界に絶対はあるのか?という疑問を抱きましたが、人間は、自分が何かを達成することで、自分に満足し、自分自身に安心することができます。満足・安心は、ほんの一瞬ですが不変で堅固な幸福を人の心にもたらします。

諸行無常の世界ゆえに、 絶対の幸福は、永続することはありません。ほんの一瞬だけです。そのかわり、善因を積むことで善果を得て、何度でも絶対の幸福を味わうことができるのだそうです。

明日は24時間立つと必ず今日になります。未来は一瞬で今になります。今は一瞬で過去になります。常にこの繰り返しですから、人間は、今しか生きられないということになります。今できることを先延ばししないことが、満足・安心を得るための生き方になると思います。

生きる意味は、『なぜ生きるのか』と『どのように生きるのか』とを区別すると整理しやすいかもしれません。『なぜ』は目的、『どのように』は目的を達成するための手段。目的は絶対の幸福を感じること、手段は、煩悩に執着しないで善因を積むこと、どのようにやるかは個々の人の自由な選択にゆだねられているということになります。ああしなければならない、こうしなければならないというのは、野暮ですね。