相対と絶対

2021年09月28日

「相対の幸福」

 幸福や不幸は、比較して始めて感じるものです。それは私たちが相対の智恵しか持っていないからです。今の状態が幸福なのか、不幸なのか、誰かと比較して感じるものです。比較してはひがんだり、不満を持ったり、逆に自分より不幸な人を見ては安心したりと、変化する幸福、それが「相対の幸福」です。

 諸行無常"一切は変わる"と説かれる仏教ですが、中でもとりわけ変わりやすいのは「心」だと教えられています。 私たちの幸福を、常に変化する相対の幸福といいます。おなかが減っている状態では何を食べてもおいしく感じられますが、満腹の状態ではどんなに好物でもうっとおしく感じてしまいます。

『絶対の幸福』

 無碍の一道 があるとお釈迦様は教えます。

 欲や怒り、ねたみそねみの煩悩は少しも変わらないけれども、心は極楽で遊んでいるときに、絶対の幸福がある。

 さまたげ、差し障りや障害のないこと。とらわれることなく自由であること。他と比較しなくても感じることができる幸せがあること。

 他と比較しないとは、自分自身に集中していること。自分が現世に生まれてきた本願に集中することだと思います。自分がやるべきことに集中することで、他と比較することなく、心は自由になるということなのでしょう。

 善因善果・悪因悪果・自因自果というお釈迦様の教えは、煩悩を常に抱えている私にも、絶対の幸せを感じることができる瞬間があること、諸行無常の世の中ゆえに絶対の幸せは永続することはないこと、今、この瞬間に良い種をまいて、未来に良い収穫があるように備えることの3点をわきまえることを、煩悩にまみれている僕に示していると考えています。

肝心なのは、実践ですが。コツコツやります。