転機
『努力しても頑張っても、報われません。』、失われた10年と言われる時代以降の日本を表している表現と言えるかもしれません。
それが今、『頑張って努力しても報われないから何もしません。』 になってしまって、より閉塞感が漂っている時代になっています。
占星術では風の時代になったにもかかわらず、無風なままというのも哀しいですね。
なにをすれば報われるのかという問いに答えてくれる師匠さんは果たしているのか?
師匠と弟子の関係において、一番大切なのは、弟子の飛躍する時期の直前に、師匠がさりげなく弟子に飛躍を促してあげることなのだそうです。
示唆ですが、
飛躍する時期が来ていないときに弟子を促したとしても、実力不足で伸びることができず挫折してしまう、
飛躍する時期に遅れてしまうと、実力があるにもかかわらず伸び悩んでしまう、
時機の選択が、非常に難しいのだそうです。
人が転機をつかめるかどうかは、師匠と弟子の阿吽の呼吸が整ったときなんだそうです。
物事を習うとき、人の習熟度はきれいな曲線を描いて上昇することはまずありません。階段のような形になるそうです。一定時間、伸び悩んで、いきなり階段が一つあがる。また、その階段でしばらく伸び悩んで、次の階段を一つあがる、この繰り返しだそうです。
階段が上がる時機が来たことを、示唆できることが良い師匠だということならば、現在の一番の弱みが、師匠側に示唆できるだけの経験が備わっていない点だと思います。
バブル崩壊後は、成功体験は少なく、予算削減で試すこともできずに失敗体験すら味わえなかったという事態も起きてますから、師匠になることができる人が限定的になっています。
その前の師匠は、高度成長時代を生きてきた世代ですから、高度成長時代のことしか体験していないという欠点があります。
低成長時代に合わせた手法に対して、皆が未熟な状態が今です。
一人勝ちしやすい状況ですね。誰もが師匠になることができる時代ですね。もっとも師匠一人だけではやることは限定的になってしまいます。弟子をうまく育てることができたならば、成功は拡大します。
師匠不足ですから、師匠と弟子という垂直的な関係よりも、むしろ、仲間という水平的な関係のほうが、互いの能力を引き出すことができる可能性が秘められています。
人と人の出会いが転機になる可能性が極端に高まっているのが、今の時代の特徴なのではと愚考します。
頑張っても報われないかもしれないけれども、頑張ってやっているものがあるという状態に自分があることが一つの縁になると思います。